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●小さな男の子が青いソリをかついで、斜面を上ってきた。 「もう一回だけよ」 ●お父さんもお母さんもうんざり顔だけど、そんなことはおかまいなしの男の子はソリに座るなり、「はやく押してよ」と催促している。 ●芝生におおわれたすり鉢状の公園は、子供専用のスキー場のようだ。本格的な雪用のソリに、段ボール紙にひもをつけた手作りのもの、米どころ西条らしい農家用の大きな米袋など、様々な道具を使って斜面を滑っている。 ●中でも一番の急斜面はプリンのような形の第二号古墳だろう。高さは約4メートル。頂上から見下ろすと、足がすくんでしまうほどの勾配なのだが、子供たちはまったくへっちゃらで大きな歓声をあげて滑ってゆくのだ。 「これで最後だからね」 ●お母さんの声を合図にソリを握る男の子の指に力が入る。ジャリッと砂が音を立て、風が男の子の頬をたたく。そして、青いソリは古代のお墓の上を勢いよく滑っていった。
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絵図・ひのただし 文・ひのしのぶ
読売ライフ広島版2000年4月号掲載 (c) 2000, edit CUE 情報は2000年当時のもの |